Home 歳時記 梅雨と紫陽花

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日本の6月は、春から夏への季節の移り変わりの時期で、梅雨といわれる雨季にあたります。日本の最南端の沖縄では5月上旬に、北の東北地方では6月中旬に梅雨入りしますが、最北の北海道だけは、梅雨がありません。梅雨があけるまでの約1ヶ月の間は、シトシトと静かな雨が続き、湿気と蒸し暑さのある憂鬱な天気の日が多くなります。しかし、そうした天候だからこそ美しく育ち、日本人の心を癒してくれる日本古来の花があります。それは「紫陽花」。紫陽花は、春の桜と並んで、日本の四季を象徴する花のひとつです。

 

ajisai2紫陽花とは、ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木。開花の時期は、まさに梅雨と重なる6月上旬から7月中旬。紫、ピンク、青、白など、様々な色で咲きますが、中には土壌の状態で花の色が変化する種類もあるといわれています。土壌が酸性のときは青の強い花が咲き、アルカリ性が強いときは赤みの強い花が咲くといわれています。花の構成にも特徴があり、1,2cmほどの小さな花が集まってひとつの大きな花として成り立っています。日本が原産地ですが、現在は品種改良により、日本で約150種、西洋で400~500種があるといわれ、世界中で愛される花となっています。

 

ajisai3紫陽花は、繊細な色の変化や華やかな花の趣から、こんなロマンチックな逸話が残されています。江戸時代にオランダ商館の医師として日本に滞在したシーボルトは、この花に魅せられ、835年に発表した「日本植物記」の中で、紫陽花の学名を“Otaksa”とつけました。それは、シーボルトが愛した日本女性「お滝さん」のことを、彼が「オタクサ」と呼んでいたことから名づけられたといわれています。彼は、帰国後、遠く離れた日本に残してきた彼女を、持ち帰った紫陽花の花を眺めながら思いだしていたのでしょう。
 静かな雨の中で、色鮮やかに咲く紫陽花。梅雨と紫陽花の生み出すその景色は、春から夏への季節の移り変わりを感じさせる、なくてはならない日本の原風景といえるでしょう。

PHOTO:O.Terasaki
URL:(TERRA'SWeb Page) http://www2s.biglobe.ne.jp/~terra/ 

 

 
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