Home 日本の心 人玉一心、心に残る輝きを
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hanabi2飯高 秀昭氏

千葉県出身。今年で120年続く、家業の煙火製造・販売を継ぎ花火師に。印旛火工(株)の4代目として、“プライベートで花火を上げる”新たな試みを開始。依頼主の話を丁寧に聞きながら、予算や規模をわかりやすく説明し、希望の花火ショーを実現してくれる花火師として、マスコミでも話題に。全国から多くの依頼を受けている。


日本の夏の風物詩ともいえる花火。日本での花火の歴史は、16世紀の鉄砲伝来以降に始まったといわれています。江戸時代になると、花火を専門に扱う火薬屋が登場。この頃から、花火が庶民の楽しみのひとつとして広まったようです。しかし、江戸時代から1910年までは、花火の製造、打ち上げに関して、特別な免許や規制が存在していなかったため、これ以前の地方の花火は、農家などが趣味で製造しているものも多かったと言われています。

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hanabi4花火にもいろいろな種類がありますが、私が作る花火は、打ち上げ用の花火。打ち上げ花火の命ともいえるのは、色です。鮮やかで艶のある、澄んだ色が最も美しいとされています。火花の色は、混ぜ合わせる薬品と金属粉の種類によってさまざまな色合いを出すことができます。その花火の輝きの素となるのが、“星”といわれる火薬。花火一玉のなかには、4号玉の場合は、直径12mmの星がたくさん入っています。星の核となる部分は、わずか直径2mm。それに火薬を均等に回しつけでいきます。火薬が1mmついたら、しっかりと乾かし、また1mmつけていく。時間と根気のいる作業です。こうした星作りを、乾燥する秋から冬にかけておこないます。星ができると、玉皮に均一星を配置し中心に割薬と言う火薬を敷き詰める。このときの配置は、打ち上がったときのデザインを考えて置いていきます。最後に、玉全体に紙を巻く作業も、一回(3枚)巻いたら乾燥させ、それを5回(4号玉(12cm)の場合・大きいサイズ程回数が多くなる)、ようやく一玉が出来上がります。年間で作れる花火は、大小合わせて2万~2万5000発くらい。花火一玉が出来るまでに、4号玉(12cm)で巻く作業は1週間を要します。花火の美しい一瞬の輝きを支えるのは、こうした丁寧で地道な手作業なのです。

hanabi5花火師の仕事は、花火の製作にとどまりません。打ち上げることにも、長年の勘と技術が必要になります。連続して打ち上げをするために、花火筒に発射薬と速火線・導火線と電気点火によって連続に打ち上げます。導火線と電気点火によって、玉に火が入るタイミングを調整します。連続で上がった後、静寂があってまた上がる――こうした打ち上げにリズムをつけることは、花火の美しさをより引き立てる職人の技です。
近年は、花火大会なども少なくなり、外国産の安価な花火も多く輸入されています。国内の花火業者も徐々に少なくなり、現在は120軒程度しかありません。花火というものが許可のいる仕事であり、なかなか新規参入が難しい点や、地道な作業で技術の習得に時間がかかる点が影響しているのだと思います。

そんななかで、もっと日本の花火のすばらしさを伝えていきたいと思い、5年前から始めたのが、“花火ショードットコム”。これは、プライベートで、花火を打ち上げるサービスです。以前から、もっと気軽に花火を楽しんでもらえる機会があってもいいのではないかと思っていました。そんな折、おばあ様の還暦お祝いに花火をあげたいという依頼があり、家族の方々とサプライズで企画を進めました。そんな家族の思いで上がった花火に、おばあ様が大変喜ばれた姿を拝見して、他にも花火を上げたい方がいるのではないかと、このサービスを開始。花火をあげたいという方の願いを、私たちが心を込めて作った花火で届けられる喜びは、花火製作の苦労も忘れさせてくれるすばらしいものです。
この五年間で、プロポーズや誕生日、ご両親の還暦祝いなど、全国の多くの方に、思い出を届けることができました。
花火は一瞬で夜空に散ってしまうもの。ですが、その美しさは、花火を見上げた方々の心にいつまでも残るものだと思います。これからも、多くの皆さんの素敵な思い出を、花火で橋渡しできればと、『一玉一心』、ひとつひとつ心を込めて作っていきたいと思っています。

花火SHOWドットコム
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